平野とバント
平野の職人芸といえば、まず、頭に浮かぶのはやはり”バント”である。
特に西武に来てからの平野のバントは、6年間で実に254回を数える。
平均すると、毎年40回以上バントをしていた計算になる。
以前、やくみつる氏の漫画だったと思うが、祝勝会か何かで銀座で飲んで、酔いつぶれた辻を平野が「シーズン中通り」タクシーで「送る」というネタがあった。
それほど、平野とバントは切っても切り離せない関係にある。
確かに、一番辻が出塁すると殆どといっていいほど、平野は送りバントをした。
そして、2塁まで進んだ辻を、秋山、清原、デストラーデの「黄金の」クリーンナップがホームまで返すのである。
だが、考えてほしい。
必ずしも辻が出塁できるわけではない。
その時、平野はどうするか?
彼の打球は美しくセンター前に転がる。
足で稼ぐ内野安打などでは決してない。
ドラゴンズ在席時の最高安打数が、158。ライオンズに来ての最高安打数が154。(記録のページ参照)
秋山が151、清原が134だったことを考えれば、それは決して少なくないことがわかる。
1000安打400犠打は、前人未踏の大記録である。
そして、「辻が出て、平野が送る」パターンの他に、「辻が倒れたら平野が出る」というパターンもライオンズにはあった。
それが高い一回の得点率につながるのである。