カリブの怪人
外国人助っ人にはいつも泣かされて来た西武。
89年シーズン中、最後の最後に取った外国人。
それがデストラーデ。
キューバ出身である。
ご存知のように、キューバでは野球が盛んで、キューバ出身の選手がメジャーでも活躍している。
しかし、キューバは社会主義国家である。
オリンピック、国家高揚の為に野球に力を入れているが、出国は認められていない。
デストラーデも例に漏れず、亡命同様に祖国を後にした。
フロリダ大を経て、ヤンキース、パイレーツでプレイし、最後に日本にやって来た。
メジャーでは無名のプレイヤーだった彼が、日本のライオンズという球団で花開いた。
その破壊力は近鉄のこれまた巨砲ブライアントをしのぎ、独特のガッツポーズは対戦相手を絶望の淵においやる。
無表情な銀縁眼鏡の奥には、だが、祖国を捨て、野球に賭けた者の闘志が溢れていた。
打った瞬間にわかる、その大きな軌道のホームラン。
討ち取った当たりがそのままスタンドインするライナー。
全ては、当時の日本の狭い球場には大き過ぎた。
彼は93年オフに日本を後にし、その年に発足したフロリダマーリンズにクリーンナップとして迎えられる。
キューバにいた頃からの夢がかなった瞬間である。

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